生態系

ラッコが絶滅すると生態系が壊れる、という記事を見て、ふと思い出したこと。

長野県の北の方に住んでいたことがある。緩やかな斜面の陰にある小さな別荘地。空き地も結構あって、林の中にポツポツと家が立っているような。
野生の猿はしょっちゅう出てくるし、庭先にカモシカが現れたこともある。
豪雪というほどではないが、GWの頃まで雪が残っていた。
冬になると空き地は落ち葉で埋もれて、やがて雪が積もる。落ち葉は発酵して熱を発するし栄養にもなる。
春が近づくと木の根元から雪が消えていく。

あるとき、庭の隅に小さな野ネズミの死骸があった。わぁ、どうしようと思ったが、1週間もすると跡形もなく消え去った。
昆虫と微生物が片付けてくれた…もっとドラマチックな言い方をすれば、新たな生命へと繋げてくれた、ってところ。

山や森や海に死骸と排泄物があふれないのは、ちゃんとそういうシステムが機能しているから。

人は人だけでは生きていけないよね。